”私が死んだら、会いにきてくれますか”

 パイラン
 


監督:ソン・ヘソン 
脚本:ソン・ヘソン、アン・サンフン、キム・ヘゴン
原作:浅田次郎「ラブ・レター」
出演:チェ・ミンシク、セシリア・チャン
2001年/韓国/116分/シネカノン配給


   
 
 日本でも映画化され人々に感動を与えた浅田次郎の小説「ラブ・レター」を、波に乗る韓国映画界が遂に映画化。孤独な中年男に『シュリ』北朝鮮兵士役のチェ・ミンシク、出稼ぎに来る女には香港から『星願』のセシリア・チャンを起用。四十過ぎて独りふらふらと暮らすカンジェは、ある日突然「奥さんが亡くなった」と知らされる。身に覚えがなかったが、かつて小金欲しさに中国人女性と偽装結婚したことを思い出した。そして一度も会うことのなかった“妻”の遺体を引き取りに向かう。
 
 

 

 隠しカメラがとらえた衝撃の虐殺現場!

 ジェニン ジェニン
   


2002年
監督:モハマッド・バクリ(パレスチナ)
総合プロデューサー:イヤド・サムーディー(パレスチナ)
カルタゴ国際映画祭最優秀賞受賞 54分

10月4日(土)〜7日(火) 連日 朝10:20 夜08:30

   2002年4月、イスラエル軍は北部パレスチナ自治領のジェニンにある難民キャンプを戦車とブルドーザー、アパッチヘリで攻撃した。中央広場に集められた青年たちの姿は消され、国連の調査団はイスラエル政府に現地入りを拒否された。隠し撮りカメラで虐殺現場を捕らえた映像は、イスラエル当局に押収される危機に直面し、製作者イヤドは自宅で銃殺されたが、人々の知恵と手で検問をかいくぐり本作の公開となった。

 

 いわれなき逮捕そして理由なき殺害・・・これが現実、これが真実。

 パレチナ パレスチナ
   



2002年/フランス /75分
監督:ドミニック・デュボスク(フランス)

10月8日(水)〜10日(金) 連日 朝10:20 夜08:30

   人形師ニダールは子供たちに、ぶどう売りの老人がイスラエル兵に殺される話を上演する。第二次インティファーダ下の日常が綴られる。井戸を掘るな。外へ出るな。耕すな。本を読むな・・・何度でも許可を申請して待つ。却下、裁判なしの逮捕、拘留、警告なしの殺害にいたるケースもある「軍令」支配。ベツレヘム難民キャンプの苛烈な日常が淡々と描かれる。

 

 家は壊された。親友は殺された。モハメッド、今日も戦車に石を投げる。

 ガザ回廊
   



2002年/アメリ/74分

監督・製作:ジェームスラングレー

10月11(土)〜13日(月) 連日 朝10:20 夜08:30

   13歳のモハメッドは戦車をめがけて命がけで石を投げる「投石者」の一人。彼の親友はイスラエル軍に殺された。毒ガスでパレスチナ人が病院に運ばれる。難民キャンプの深夜、ブルドーザーが450の家屋を破砕し尽す。ガザに住む、ごく一般のパレスチナ人へのインタビューから彼らの置かれた状況と生活、考え方が見えてくる。
 

 

 富士の裾野を密室に見立てた若松孝二の代表作!

 処女ゲバゲバ
   



1969年/66分/若松プロ

監督:若松孝二
脚本:大和屋竺
出演:谷川俊之 芦川絵里

10月13日〜15日 朝10:20より 夜8:30より 

 

処刑のために荒野に連れてこられたチンピラは、ボスの情婦たちとセックスをするように命じられる。富士の裾野を密室に見立てた若松孝二の代表作
 「処女ゲバゲバ」というタイトルの名づけ親は大島渚監督である。

 

 

 「カイボウなんてまっぴらゴメン 私の内側なんか 誰れにも分かるもんか。」

 噴出祈願 十五歳の売春婦
   



1970年/72分/国映

監督・脚本:足立正生
出演:佐々木天 芦川絵里

10月16日〜17日 朝10:20より 夜8:30より

 

パレスチナに越境する前に足立正生が監督した最後の劇映画。生き急いだ若者たちの遺書を手がかりに、肉体の快感を精神で克服しようとする4人の少年と少女。

 

 

 この青は、ちょっと傷(いた)い。

 いずれの森か青き海

 



2003年/90分/「いずれの森か青き海」製作委員会製作、配給

監督・脚本/瀬木直貴
撮影/清水良雄
出演/西村美紅 高野八誠 早坂好恵
10月1日(水)〜3日(金) 連日 朝10:20〜11:20

 
 

瀬木監督の故郷、三重県四日市市を舞台に多感な16歳の少女「アオイ」の揺れ動く日常に起こるエピソードを軸に物語が展開する青春映画。彼女の自分さがしの旅が今始まる。今年主演映画が続く気鋭の若手俳優・高野八誠が脇を固めている。

 

 この町に活きる喜び。 この人と活きる歓び

 沙羅双樹 

 



2003年/日活 よみうりテレビ ヴィジュアルアーツリアルプロダクツ/99分/日活配給

監督・脚本/河瀬直美
撮影/山崎祐
音楽/UA
出演/福永幸平 兵頭裕香 生瀬勝久 樋口可南子
10月1日(水)〜3日(金) 連日 2:20 6;30

 
 

『萌えの朱雀』から6年。ドキュメンタリーとフィクションを行きかいながら”家族”の物語を撮り続けてきた河瀬直美が、ふるさと奈良を、”いま生きていく喜びを感じる町”として描く。代々墨職人を継ぐ一家。小学生だった双子の兄が”神隠し”のように行方不明になってから、止まってしまった「刻」の中でもがく家族・・・。

 

 アシタ、アナタはドコニイル?

 月の砂漠

 


監督・脚本:青山真治 製作:仙頭武則 撮影:田村正毅
出演:三上博史、とよた真帆、柏原収史、萩原健一

2002年/月の砂漠製作委員会/131分/パンドラ配給
9月20日(土)〜27日(金) 
12:10 14:20
9月28日(土)〜10月3日(金) 12:00 16:10 20:20

 
 

 ベンチャー企業を成功させ、IT業界の寵児となった永井だが、彼を残して妻と娘が家を出た。同僚からも決別された永井は男娼のキーチと出会い、彼に妻を捜し出して寝てくれと頼む。カンヌ国際映画祭正式招待作となった意欲作。

 

 伝説の女性レニが、100歳を超えて到達した美の世界。・・・・・それは豊かなる生命の海。

 ワンダー・アンダー・ウォーター

 



2002年/ドイツ/45分/東京テアトル配給

監督・撮影・編集/レニ・リーフェンシュタール
撮影/ホルスト・ケットナー
10月4日(土)〜17日(金) 連日1:30 5:00

 
 

レニは『意志の勝利』('35)などナチとの関係を問われ、戦後は映画活動を中断。昨年100歳の誕生日を迎え、48年ぶりに本作を完成させた。海の美の驚異の世界が展開する。
同時上映 『アフリカへの想い』 2000年/ドイツ/60分/監督レイ・ミュラー 

 

 あなたの笑顔が 私の喜び

 夕映えの道

 



2001年/フランス/90分/角川大映配給

監督・脚本/ルネ・フェレ
撮影/ドリス・レッシング
出演/ドミニク・マルカス マリオン・エルド
10月4日(土)〜17日(金) 連日11:50 3:20 6:50

 
 

パリ20区。広告会社を経営する独身の中年女性イザベルは、小さなアパルトマンで孤独に暮らす老婦人マドと出会う。イザベルは彼女の古ぼけた部屋に驚き、体調も気にかける。しかしマドは他人に干渉されるのを極端に嫌う。それでもイザベルは、マドとの絆を深めるなか、自分の生き方が少しずつ変わっていく。

 

 一緒に、地獄へ行きましょう。

 六月の蛇


監督・脚本・撮影・美術/塚本晋也
音楽/石川忠
主演/黒沢あすか 神足裕司 塚本晋也 寺島進
・ベネチア国際映画祭審査員特別大賞 
2002年/海獣シアター/77分/ゼアリズエンタープライズ配給

 
 青いトーンで統一されたモノクロスタンダード映画。潔癖症の中年サラリーマンの重彦。心の健康センターに勤める美貌の妻りん子。ある日妻のもとに、彼女の自慰行為を盗み撮りした写真と携帯電話がとどく。男からの脅迫を受け、りん子の恥辱と恐怖に満ちた日が始まる。夫はその妻の変貌に息をのむ。

 

 在日朝鮮人がはじめて監督した長編劇映画

 異邦人の河

 



監督:李学仁
出演:朴雲煥、中村敦夫

1975年/緑豆社/115分
10月18日(土)〜20日(月)
10:10 14:15 18:20
19日(日)14:15の回は休映。

 
 

在日というルーツに苦悩する青年をジョニー大倉が本名で出演し熱演する貴重な作品。

 

 

 詩雨おばさん

 



監督:李学仁
出演:馬渕晴子、小林悦子

1977年/緑豆社/112分
10月18日(土)〜20日(月)
12:15 16:20

 
 

朴正熙政権下の韓国で政治犯として囚われた息子たちの無実を信じ働き続ける母を描く。

 

 庶民のうたえる性の悦び

 日本春歌考

  

 



監督:大島渚
出演:赤木一郎、吉田日出子

1967年/松竹/103分
10月21日(火)・22日(水)
10:50 14:40 18:30

 
 

何気なく歌う春歌の中に垣間見る朝鮮人の姿を通して、混沌へと突き進む日本を描く。

 

 10歳の少女の日記を映画化した今村昌平の第4作

 にあんちゃん
   

 

監督:今村昌平
出演:長門裕之、吉行和子
1959年/日活/101分
10月21日(火)・22日(水)
12:50 16:40

 
 

 

貧しい炭坑で両親を亡くした朝鮮人の兄弟と彼らを見守る大人たちを描いた感動作。

 

 

 

 伽イ耶子のために

 



監督:小栗康平
出演:呉昇一、南果歩
1984年/劇団ひまわり/117分
10月23日(木)〜25日(土)
10:20 14:20 18:20

 
 

在日朝鮮人二世の青年と日本人少女との恋愛と別れを通して日本社会の矛盾を鋭く突く。

 

 在日韓国・朝鮮人三世の少女と日本人青年の純愛を描く

 潤の街
   



監督:金佑宣
出演:姜美帆、田中実

1989年/仕事/100分
10月23日(木)〜25日(土)
12:30 16:30

 
 

日本人青年との真剣な恋に苦悩する在日朝鮮人三世の少女を丹念に描いた秀作。

 

 

 

 月はどっちに出ている
   


監督:崔洋一
出演:岸谷五郎、ルビー・モレノ

1939年/シネカノン/109分
10月26日(日)〜28日(火)
10:10 14:20 18:30
26日(日)14:20の回は休映。

 

 

在日社会と在日を取り巻く様々な人間模様を客観的にシニカルに描いた大ヒット作。

 

 

 国境線なんか、俺が消してやるよ

 GO

 



監督:行定勲
出演:窪塚洋介、柴咲コウ

2001年/東映/122分
10月26日(日)〜28日(火)
12:10 16:20


 
 

パワフルな在日コリアン三世の青年を描いたスタイリッシュな在日ムービー。

 

 青春は イノチガケ

 夜を賭けて

 



監督:金守珍
出演:山本太郎、ユー・ヒョンギョン

2002年/「夜を賭けて」製作委員会/133分
10月29日(水)〜31日(金)
10:10 14:10 18:10

 
 

梁石日原作の同名小説を映画化した力作。多くが在日だったアパッチ族をたくましく描く。

 

 

 ヨルカケ〜映画『夜を賭けて』の日々〜

 



監督:毛利匡
企画:金守珍

2003年/クルージン/88分
10月29日(水)〜31日(金)
12:30 16:30


 
 

金守珍監督のもと『夜を賭けて』を完成させるため集った在日を含む若手たちの記録。